2009年8月31日月曜日

長野県行政書士会でトレーニング

こんにちは、事務長の芝です。

平成21年8月29日、30日、長野県行政書士会のお招きを受け
ADR出張トレーニングを行いました。

長野県行政書士会主催
「対話促進トレーニングⅡ」

講師 静岡県司法書士会調停センターふらっと 名波直紀
                              芝 知美

テーマ 「聴く」ことを体感しよう!
     繰り返し・要約をしてみよう!
     初めての出会い

体験型学習(参加型学習)とよばれる手法を使って、
みなさんと共に楽しみながら5時間の研修会を行いました。
24名のみなさんに参加いただきました。

長野県行政書士会にお邪魔するのは初めてでしたが、
みなさん意欲的で、参加意識も高く、非常に有意義な
時間を過ごすことができました!!

長野県行政書士会のみなさま、
ありがとうございました。



ふらっとでは出張トレーニングを行っております。
詳しい問い合わせは054-282-8741まで
お気軽にお電話下さい。

2009年8月25日火曜日

よりよきコミュニケーションをとるために-フォーカシングを使って-

 運営委員の池谷です。早いもので二巡目の投稿となりました。私からは先日のADR研究会の報告をいたします。

 去る8月19日(水)の研究会では、「よりよきコミュニケーションをとるために-フォーカシングを使って-」と題し、フォーカシングについての体験学習が行われました。講師は、フォーカシングに詳しい浜松の豊島睦子さん。20数名の参加者のほとんどが初めての体験でした。
 
 フォーカシングとは、アメリカ在住の哲学者でもあり心理学者でもあるジェンドリンという人が開発した技法で、「からだの実感を通して、実感の持つメッセージを受け取っていく方法」です。からだでは感じているけれど、漠然として、まだ言葉にはしにくい、でもからだでは何か意味が有りそうな、何か分かっているような、そんな実感を聴き手(リスナー)が話し手(フォーカサー)から、丁寧な傾聴を通して受け取っていくという技法です。

 学習の中で、参加者全員が1対1となり、お互いが話し手と聴き手になってトレーニングが行われました。私の場合、聴き手になったとき、傾聴ということを意識しながら臨んだつもりでしたが、つい普段の相談員のくせが抜けず、話し手に対してあれこれと質問していたようです。講師から即座に指摘されました。
 フォーカシングでいう傾聴は、程よい距離を取りながら、話し手の言うまでゆっくりと待ち、思いを共感し、困ったこと、悩みなど聴き、話し手の判断、決断を認めるということらしいです。

 最後に、講師の豊島さんが聴き手になり、事務長の芝さんが話し手になって模範実習が行われました。豊島さんは、ゆっくりと丁寧に話し手の気持ち、からだの感じなどを聴き取り、そして共感し、話し手の思いを受け取っていました。まるで催眠術をかけているような感じでした。参加者の皆さんはどう感じたでしょうか。

 メディエーションでもコミュニケーションをとる方法としていくつかの技法がありますが、この技法、案外使えるかも知れません。機会があれば、もう少しトレーニングを積むのもいいかも知れません。

2009年8月19日水曜日

紛争を解決する手段としての「ふらっと」のメリットは?Vol.2

 センター長の小澤と申します。ようこそ「ふらっと」のブログへ。運営委員の皆様、全員筆が早いようで、もう一巡いたしました。良いペースですね。ブログは更新が命ですから。

 さて、前回は総論的なお話でしたので、これからは、具体的な事案で考えてみたいと思います。

 司法書士事務所には、日々、多種多様なトラブルが寄せられていますが、その一つにいわゆる「貸金請求事件」と呼ばれる類型のものがあります。簡単に言えば「お金を貸したが返してくれない!」というものです。

 このような相談があった場合、司法書士事務所ではどのようなことを聴き、どのような解決案を提示してくれるのでしょうか。

 私であれば、まず、概ね次ぎのようなことをお聴きすることになります。おそらく、どんな司法書士でも大差はないと思われます。

1.誰に、いつ、いくら貸したのか。
2.どのような事情で貸すことになったのか。
3.借用書はあるのか。
4.相手方の資産はあるのか。

 この中で、紛争解決にあたる司法書士が、最も大事なポイントをどの点に置くのか(あるいは優劣をどのように考えるのか)・・・これによって依頼人の満足度や紛争解決のメニュー選択にも微妙な影響を与える、結果、実際の解決にも差が出るのではないか・・・そんな考えを持っています。

 乱暴に言ってしまえば、シンプルに貸金の返還(即ち回収)のみに力点を置くのであれば、上記2の「どのような事情で貸すことになったのか。」という背景はさほど重要ではなく、4の「相手方の資産はあるのか。」が最重要ポイントとなります。いくら権利があっても、相手方が無資産であれば、仮に裁判を起こして判決をとってもただの紙切れになってしまう可能性が強いからです。そして、現実には、そのような事案が非常に多いことから、結果的に泣き寝入りを強いられてしまう相談者は少なくないでしょう。

 実際、私の事務所にも、貸金返還を求める相談者は数え切れないほどいらっしゃっていますが、これまでは、訴訟や調停その後の執行(差し押さえですね)といった手続を前提として、4に力点を置いてまいりました。しかし、これでは何の解決にもならない・・・そういう事案が少なくなかったことから、内心忸怩たる思いをしてきた・・・というのが本当のところであります。

 続く・・・・

2009年8月18日火曜日

親指の恋

みなさん、こんにちは。
ふらっと事務長の芝です。
運営委員で渡してきたバトンも私で最後になります。
いろいろな角度から対話やコミュニケーション、紛争解決に関しての
投稿、いかがでしたか?

私からは少し嗜好を変えて
メールとコミュニケーションの関係について考えてみたいと思います。

「親指の恋」という言葉を聞いたことがありますか?
近頃は携帯電話のメールで始まり、メールで終わる恋を親指の恋と
言うそうです(若者でないので詳しくは知りません。)


友達のAちゃんは、付き合っている彼にも電話をかけることができません。
なぜなら怖いから!
電話をしてもし向こうの都合が悪いタイミングだったらどうしよう。
電話をしてもし向こうが機嫌が悪かったらどうしよう。
あれこれ考えると電話をする勇気がもてないようです。
また直接会っている時間はなるべく楽しくいたいので、
「本当に思っていることを伝える」という少し重い話はなかなか
出来ないそうです。

その点、メールだと、いつでも空いている時間に送ることが出来るし、
彼にも迷惑をかけません。
メールなら本心を言えるし、素直に寂しいとかかわいらしいことも
言えます。
Aちゃんは直接言えないことはメールで伝えるようになりました。

しかし、彼からしてみれば、会うときは何も言わないのに、
あとからメールであれこれ言われても・・・・ということになるのでしょう。
次第に二人はぎくしゃくしていき、残念ながらお別れをしてしまいました。

古くはポケットベル、携帯電話や携帯メール・・・・・コミュニケーションツール
の発達により、逆にコミュニケーションエラーを生むことが多くなって
いるように思います。
直にコミュニケーションを取ることに慣れていない世代からすれば、
以前は当たり前であった電話や直接の対話すら行うことが難しくなっています。


「言葉が足りない」

こともあれば

「言葉じゃ足りない」

こともあります。

コミュニケーション不足の一つの要因は「慣れていない」ことではない
かと近頃思います。

直にコミュニケーションを取ることに慣れていないみなさん、
一緒にコミュニケーションを体感してみませんか?
市民のみなさんと共にコミュニケーション、メディエーションを考える
Rcafeしずおかは今月21日 19時より 静岡県司法書士会3階
で開催です!!
参加費無料で、どなたでも参加できますので、遊びに来てくださいね。

2009年8月13日木曜日

“何か”を求めて

「話し合いで紛争解決」・・・これが、メディエーションの求める姿です。
“ふらっと”も、この究極の紛争解決を模索しています。

でも、ほんとにそんなことが可能なんだろうか???

運営委員の一人でありながら、実のところ私は、未だに懐疑的です。
せっかちで結論を求める性格ゆえか、勉強を重ねれば重ねるほど、「自分には向いていない学問だ」という思いは募る一方です。

それでも、先駆者の芝さんがメディエーションを語る時、彼女の眼は、いつにも増して輝いています。
自分の時間とエネルギーを惜しみなく費やし、全国の仲間に、繰り返し繰り返し語りかける姿からは、「“何か”を伝えたくて伝えてくて仕方がない」という彼女の熱意が溢れ出ています。
そんな彼女を見ていると、「壁の向こう側で待つ “何か” は “ものすごいやつ” に違いない」という不思議な気分にさせられます。

「努力を重ねた者だけが知る世界」
「敗者のいない win-win という世界」

そんな世界があるのなら、紛争解決に関わる一人として体感しなければならない。

こんなことを考えながら、もう3年が経過してしまいました。
少しは“何か” に近付けているのでしょうか・・・・?

できの悪い運営委員の中里でした。

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PS でも、

 “ふらっと”利用者の皆さん
 紛争に悩み“ふらっと”の利用を検討されている皆さん
 ブログをご覧頂いている皆さん

きっと、私と同じように「そんなことができるわけがない」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
もしかしたらあなたも、“ふらっと” を通じて “何か” を体感できるかもしれませんよ。

お家でメディエーション(話し合い)!?

副センター長の名波と申します。
よろしくお願いいたします!

我が家には、
トシキ(小3)という男の子とアキ(小1)という女の子
がいます。

この二人、仲がいいのか、悪いのか、
いつもケンカをしています。

先日、あまりにひどいケンカをしていたので、
私は二人を呼びつけました。

「二人とも、ここへ座れ!」

テーブルを挟んで、
即席メディエーション(話し合い)の開催です。

「それでは、これから話し合いを始めます!」

二人は何が始まったのだろうと、
目をキョトンとさせて私を見ていました。

「まずは、3つの約束です。」

段々、何事かを理解し始めた二人は、クスクス笑い始め、
話し合いに参加してきました。

「じゃ、どちらから、話したい?」「ハイ!!」

二人は同時に手を挙げました。

「う~ん、それじゃ、ジャンケン」・・・

その光景をみていた、私の妻もニコニコと近づいてきて、
話し合いの観察者となりました。

●メディエーションが「どこでもメディエーション」 
と呼ばれる所以です。

●この話し合い以降、二人の子供は、 
極端にひどいケンカをしなくなりました。
お互いを尊重する意味を少しだけ感じてもらった気がします。

●そして、何といっても、 
その瞬間だけ、カッコいいお父さんになることができました。


明日からできる即席メディエーション3つのステップ

①トラブル解決までの再現ビデオをご覧ください。

②事務長の芝が「3つの約束」を読み上げているシーンがあります。
どのように、話し合いを進めるかを見てください。

③「3つの約束」をメモしながら、マネをしてみてください。


これであなたも、即席メディエーター(調停人)です!!


もっとしっかり学びたい方は、R cafe しずおか
で勉強会やってま~す!

2009年8月6日木曜日

話を聴く

はじめまして、運営委員の井上史人です。

運営委員になる前の、今年の3月末の土日で調停員となるための研修を受講しました。
その研修の中で、複数の班に分かれて、与えられた題材に沿い、当事者役、調停員役に分かれて、ロールプレイングをするということを行いました。

私は、調停員役を演じたのですが、与えられた時間の中で、「当事者双方の話を平等に聴く」ということがとても難しく感じました。
時間内で、当事者双方に平等に時間配分することや、話を聴いている最中の頷き、目線、顔を見る回数などに気を配らなければならないことが難しかったです。

調停に臨む当事者は、事件の解決を望んで、調停の場に来られるわけですが、一方の当事者に、「調停員は相手方当事者の話ばかりに共感して話を聴いている」という印象を持たれると、話し合いがうまく進みません。

人は言葉だけでなく、相手の目線、頷き、あいづち等の仕草を確認しながらコミュニケーションをとるもの。
前回投稿された花田さんも書いていましたが、頷き等を一切しない相手に話をするとまるで、お地蔵さんに向かって、話をしているようですね。

かといって、一方の当事者の話ばかりに気を取られているような仕草をしていると、もう一方の当事者に誤解を招いてしまいます。
日常業務で相談を受けている時は、相談者のみの話に耳を傾けることになるので、「当事者双方の話を平等に聴く」というのはなかなか訓練できません。
研修を積極的に受講して訓練を積み重ねていかなければと思います。