2010年12月30日木曜日

波と風と雲と太陽と運

 正月はあまり天気がよくないという予報が出ていたので、ちょっと早いが12月30日に日の出を見に行ってきた。

 は、が厳しい遠州灘であるが、今日ばかりは大変穏やかに僕を受け入れてくれた。しかしながら、こっちを立てればあっちが立たず、というわけではないだろうが、東の空にはがかかり、赤味が差してきたものの、お天道様は顔を見せてくれない。
 あ、考えて見れば、物ぐさな僕が気まぐれに朝日を拝もうとしても、そんなに都合よく太陽のきれいな顔を見せてくれるほど自然は甘くないということなのかもしれない。

 たちの暮らす社会も同じような事が言えるのかもしれない。物事を達成したり喜びを味わうためには、その瞬間に使うエネルギーの何倍、いやも何十倍もの努力が必要なのかもしれない。また、そうした努力だけでは足りず、運やタイミングであったり人との出会いという偶然が重なって、初めて物事が成就するということだってあり得る。もっとも、こうした偶然を引き寄せる原動力も不断の努力の結果として「実力」という単語で評価されることもあるほどだから、「努力は報われる」と信じて努力を重ねるしかないのであろう。

 「の年になって、そこまでの悲壮感を背負うのは些か辛いものがあるなあ」などと考えていたところ、太陽が雲の間からほんの少しだけ顔を出して僕の顔を照らしてくれた。そうか、こういうこともあるのだ、が先に来ることもあるのだ。僕は少しだけ気持ちが楽になった。

調停人候補者  古 橋 清 二



2010年12月26日日曜日

所感

調停人候補者の藤曲です。

最近、政治に関して思う事を述べたいと思います。

各党とも「国民の生活第一」という点では一致して
いるのにかかわらず互いに他党を批判しあい互いに
協調する気配が無い。又、逆に国会対策上から
民主党の各党に対する理念なき連合の申し込みがある。
国民の目線に立ってというが、其々自党の思惑のみに
とらわれている。

「国民」とは、右から左までを含み又多数派から少数派
までを含む広い概念だ。多数派の横暴も少数派の横暴
も許されない。結局、各党とも自分を支持するものを
「国民」と言っているにすぎない。

よって、この国難を乗り越えるためには一党一派に囚わ
れることなく、挙国一致体制をとり、「国民の生活第一」
では一致しているのだから全ての党が連合して事に当
たるべきである。その道が、「国民」という概念を掲げた
意味に合致して、「国民」にとって分かりやすい政治と言える。

2010年12月16日木曜日

仲裁手続研修講座

副センター長の名波です。

ADR関連の勉強を兼ね、仲裁手続研修講座に参加しています。
毎回、確認テストがあり、居眠りもできない状況です(汗)。

仲裁とは、紛争の解決を第三者である仲裁人に委ね、
その判断に服する旨の合意をする制度ですが、
裁判所以外の第三者の判断に服するというところを捉え、
私的裁判とも言われています。

この仲裁が良く利用されるのが、
国内の紛争よりも国際的な紛争の解決の場面です。

今回の講座の講師も、国際的に活躍している
大手弁護士事務所の弁護士さん達です。

私の日頃の実務とは、あまりにかけ離れているので、
最初は戸惑いましたが、途中から開き直って別世界の話を
楽しむことにしました。

言葉や習慣、価値観が異なる別々の国の企業間
(ときには、相手が国家)に紛争が起きたとき、
どこの国で裁判を行い、どの法律を適用するかは
課題となります。

仲裁は、国家の裁判所とは異なり、判断権者である仲裁人を
言語を、そして仲裁地等を当事者の合意によって選ぶことができます。
そして、調停と同じく、第三者の中立、公正が厳格に求められます。
一見、別世界でおきている実務でも、”ふらっと”で行っている調停に
繋がる共通項がたくさんあります。
この講座のお陰で紛争解決に対する視野が広がった気がしています。

”ふらっと”の実務にフィードバックできればと思っています。

2010年12月9日木曜日

ODR

編集委員の中里です。

今日、私は、消費者庁で行われている「インターネット消費者取引研究会」という会議を傍聴してきました。
日司連の消費者法制検討ワーキングチームでの仕事で、委員が交代で傍聴に出かけます。

急速に発展・進化するインターネットを活用した消費者取引について、消費者庁の立場から、良質な市場と消費者の安全・安心を確保するためにどのような法整備が必要であるのかが議論されています。

5回目の今日は、グローバルな越境型消費者取引について、日本におけるトラブルの現状、米国やEUにおける先進的な取組み、消費者庁の次年度に向けた取組み等の報告が行われました。
越境型トラブルの相談に応じている「一般社団法人ECネットワーク」の報告では、2009年度は海外の消費者からも33件の相談を受けており、内22件は日本から輸出された中古車自動車に関するトラブルだそうで、中でもケニアからの相談が突出しているそうです。
また、ヤフーのCCOの方からは、中国最大のネットショッピングサイトである「タオバオ」と、「ヤフージャパン」とを一体化させ、両国間にまたがるひとつの市場をネット上で創り上げるという、現在進行形のプロジェクトが披瀝されました。

何とも壮大なスケールの話なのですが、こんな話題をここで取り上げたのは、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)という国際取引における統一法条約やモデル法の作成等を担当する国連総会直属の機関が、平成22年6月に開催された第43会期総会において、オンライン紛争解決手続(通称「ODR」)を作業項目として採用することが決定され、ワーキンググループが設置されたという資料を目にしたからです。

ADRもままならないうちに、今度はODRだそうです。
その次は一体、何がやってくるのだろうか・・・

世界は確実に狭まり続けていることを実感した1日でした。

2010年12月8日水曜日

ステレオタイプ

 運営委員の登山です。
 しばらくぶりの更新、すみません m(u_u)m

 唐突ですが、「ステレオタイプ」ってご存知ですか?
 「紋切型態度」とも言われ、版で押したように同じ考えや態度や見方が、多くの人に浸透している状態を言うとされています(wikipedia参照)。

 「ステレオタイプなものの見方」といえば、たとえば、「日本人ならこう考えるだろう。」というものです。
 テレビドラマなどで、善役はいかにも善役らしく描かれ、悪役はいかにも悪役らしく描かれているのも、「ステレオタイプ」となります。

 さて、このように書きましたのは、最近、私自身が、「あぁ、ステレオタイプなものの見方をしていたなぁ。」と思う機会があったからです。

 現在、フジテレビ系列で「医龍3」というテレビドラマが放映されているのですが、ご存知でしょうか?
 とある大学病院を舞台に、主人公である天才心臓外科医、医局で絶大な権力を振るう教授、その教授の後釜を巡って争う3人の候補者とその支援者たち、等々を中心に繰り広げられる医療ドラマです。
 私は、テレビドラマの方はPart1の頃から時々見ていましたけれど、原作の漫画の方は1度も読んだことがありませんでした。ところが最近、原作の漫画を読む機会がありまして。
 そこでは、登場人物の内面が丁寧に表現されていて、テレビドラマとはまた違った印象を持ったのです。
 特に、医局で絶大な権力を振るう教授については、テレビドラマではいかにも悪役として描かれていて何ら共感できないのですが、原作では共感できるところもあり、印象が随分と変わりました。

 それで、冒頭の、「あぁ、ステレオタイプなものの見方をしていたなぁ。」と続くわけです。
 人の内面は複雑で、「いかにも・・・」と決め付けることはできないですよね。日常でも同じことをしてるなぁ、などと原作を読みながらふと思った次第です。

終わり

2010年11月18日木曜日

人を感動させる方法

 電話が鳴る。
 「シンバチャン、人を感動させるにはどうしたらいい?」
 そう聞こえた。10年ぶりくらいか。親ほどにも年の離れた昔の上司からだった。
 そうすると、もう70代半ばくらいになられただろうか。
 飲みに行って気分が乗ると、旧制高校の寮歌を一緒に歌うことが楽しかった。話題も豊富で、いつまでも盃を重ねた。
 そういう人だから、突然のこの電話でこの振り。これはなにかのとんちかな。休日でだらっとした頭のキーを回して急発進。急加速で脳細胞をフル回転させる。なかなかウィットに富んだ答えを思い浮かべることができない。それにしても、難しいお題を下さるじゃないか。
 「人を感動させる方法ですか?う~ん、それはやっぱり、方法を考えてはダメで、無欲な行為、まごころの成果っていうことじゃないですか。へへへ。」
 我ながら、さえない答え。照れ笑いしても、さえないものはさえない。
 「まごころねえ。困ったねえ。どうしても、ねえ。」
 ますます混乱してきたぞ。気に入らない答えだったとしても、何かこう、もっと話が進展するような受け答えになるはずなのになあ。
 恐る恐る、探りを入れてみる。
 「ええと、何かありましたかねえ。」
 「いやね、せがれがね、どうにも困っちゃってね。」
 あっ。
 「カンドーって、カンドーのことですか。ああ、カンドーのこと。カンドーはできないですよ。親子の縁は切れません。」
 「勘当する方法はないの?」
 「ないです。」冷や汗がでる。
 「ないのかあ。フー。悪かったね、変な電話で。」
 ・・・こちらは焦るばかりでまともな話ができなかった。もしかしたら、相続人の廃除のような話だったのかな。それは、とんちで答えることはできない。
 みんな、そういう切替をどうやっているんだろう。私は本当に修行が足りない。

                                            調停人候補者 榛葉隆雄

2010年11月11日木曜日

参加型研修のススメ

みなさん、こんにちは。
事務長の芝です。ブログの更新が遅れてスミマセン。

今日は”ふらっと”出張講座での感想です。
ありがたいことにこのところ、”ふらっと”出張講座をお申し込みいただき、
”ふらっと”の調停を広く知っていただく機会が増えてきました。

この間も静岡県東部地区の市役所担当者の皆さん、相談員のみなさんに
”ふらっと”を紹介する機会を得ました。

基本的に”ふらっと”の講座は講師が参加者の方々へ座学で講義を
するスタイルではなく、参加者の方々に体験してもらいながら、
なんとな~くでも”ふらっと”の行っている調停を疑似体験して
もらっています。このような講座を”ふらっと”では「参加型研修」と呼んでいます。

参加する方々のほとんどは、座学には慣れていても、参加型は
初めて体験するという方も多く、初めはみなさん戸惑いますが、
10分もすると慣れてきて、笑顔があちらこちらで見られるようになります。
ある出張講座では来賓でいらしていた某放送局の社長さんにも、
強引に参加してもらったこともありました。
初めは戸惑われていたと思いますが、とても気に入ってただいたようで
懇親会の席でわざわざ挨拶に来ていただいたほどでした。

参加型研修が苦手という方でも、一度参加してみると案外楽しめて
しまうものです。
ぜひ一度ふらっとの講座を体験してみませんか?

出張講座ご希望の方は 054-282-8741(ハナシアイ)
までお気軽にどうぞ!!

こども3連発!

その1 昭和
 浜松まつり。私は、子供会の付き添いで凧揚げやら屋台の引き回しやらに参加した。地元でない私にとって、町内のこどもらと三日間の時間を共有するのは、なかなかに貴重なことだった。
 「おじさんがこどものとき、戦争だった?」
 ・・・無邪気で素直で素朴なことは、眼を見れば分かるだけに、私は苦笑いするしかない。
 「いや、もう戦争は終わっていた。」しかし、・・・数えてみれば、私が生まれたのは、わずか16年しか経っていないときだったんだなあ。ベトナム戦争のニュースは、ラジオから流れていたように思う。
 「じゃあ、おじさんがこどものとき、テレビあった?」
 ・・・「ああ、あったよ。だけど、白黒だ。足が生えていたよ。カラーテレビが来たのは、ちょうど君らの年のころだ。ホント、感動したな。」
 「ハイビジョンくらい?」
 「全然、ラベルが違うな。総天然色だぞ。」
 「なにそれ」
うーん、この子ら、平成生まれどころではない。21世紀生まれだわ。

その2 テレパシー
 小4のわが子が、朝、近所の子らと一緒に学校へ通う。私は、それを見送る。
 「こーちゃあん、○×○×よー」と、隣のお母さんが勝手口のところで、忘れ物か何かのことを言っている。
 「あ、もう行っちゃいましたよー」と、姿の見えない隣のお母さんに、私は告げる。
 「すませえん」・・・バタリ。扉が閉まる。
 ・・・ あれ、こーちゃん、戻ってきた。まさか、お母さんの声、聞こえてないでしょ。
 おおお、親子のテレパシーだー。

その3 伝える意味
 二年前だったか。浜松で、里親の会の全国研修会があって、これに参加した。
 初めての試みと紹介されて、里親宅で育った子らが壇上のパネラーとなってディスカッションが行われた。みんな明るくて、素直で、私の心は温かくなった。
 その中で、就職活動の経験を報告した人がいた。
 「面接まで行きましたが、結果は不採用でした。わざわざその理由を説明してくれたのですが、私の家庭環境つまり私が実親に育てられていないことが問題だとのことでした。私を採用しないことは、その会社の自由ですが、私が養護施設に入ったり里親に育てられたことは、私にとって、どうにもしようのないことです。私の努力によって措置がされなかったということはないのです。そういう理由で私を採用しないことにしたとしても、それを私に説明する意味があったのでしょうか。もちろん、そんな会社、こちらからお断りですが。」
 私は、震えが止まらなかった。

調停人候補者 榛葉隆雄

2010年10月25日月曜日

調停のヒント

調停センターふらっとの研修をやってみて、自分が早くまとめようとするようになっていとことに気がついた。

 最近自分の考えを押し付けているような場面に出くわしたので、この話を今回のテーマにしてみようと思います。

 調停委員として、家裁で調停をやっているが、中でも一番大変なのが、遺産分割調停だと言われています。

 今回扱った事件は、父が死亡(母は先に死亡)し、相続人3名(長男、次男。長女)で、遺産分割調停申立事件です。

 結果として、解決までに2年かかり、調停回数は14~15回かかっている。

 私の経験した遺産分割の中でも長期間難事件の分類に入る事件だった。

 ここまで、長くかかったのは、財産が多かったこと、特に農地が多く、分け方がなかなか決まらなかったことや、回を重ねるごとに今までの家族の確執が出てきたことがある。

 調停を始めて3度目位で、財産もほぼ出尽くし、お互いの思いも大体わかってきた。相続人間で分け方が決まらなかったため、調停委員の方で、農地を中心に長男が土地をとり、外に出ている次男、長女は預貯金を主体にした分け方を提案した。

 この提案の問題点は、不動産の評価が高いため、全体財産の40~50%近くを占め、長男の取り分が多くなることであった。ただ、農地等は、現実には評価は高くても、売れば農業経営がだめになるし、売るわけにはいかない所もあり、預貯金等を取得する方が有利だと思い提案した。しかし、この提案は法定相続分にこだわる、次男、長女にあっさりと拒否されていまった。

 そして、j拒否する際に「この提案は、調停委員さんの押しつけに感ずるのですが…」と言われてしまった。この提案をした時、自分は家を残すという意識が知らず知らずに出てしまったのではと、後で考えた。

 農地を守るとか、家を守るというのは、家の後継者がよく考える。

 私も長男であり、相続の際に“家を守る、家を継ぐ”と言う意識をした。従って農家を守るとか農地を守るとか言う、今回の例の話だが、“家を守ることが大切で、少し位多く取得してもいいのでは…”と考えてしまったのではと、今になって思う。

いずれにしても。この遺産分割は成立し、最後に双方の人々よりお礼も言われたが、相続における時代の流れを知る意味で、いい勉強になると共に、常に相続人の“思い”をしっかり受け止めることが大切だと感じた例でした。



志太榛原支部  佐藤寛でした。

2010年10月11日月曜日

オーケストラの指揮者と演奏者に見る非言語コミュニケーション

 運営委員の池谷です。久しぶりに投稿します。
私は、クラシック音楽が好きです。コンサートを見に行ったり、BSのクラシック番組などをよく見る。特にチャイコフスキーやマーラーの迫力あるフルオーケストラの交響曲はたまらない。
コンサートでは指揮者は後姿しか分からないが、テレビではカメラが指揮者の正面や横から映してくれるので指揮者の表情などが良く分かる。1曲の演奏に30分くらいのものもあれば、1時間以上のものもある。その間に指揮者と演奏者の絶妙な非言語コミュニケーションが見て取れる。指揮者の「動作」「姿勢」「身ぶり手ぶり」「顔の表情」「視線」などに対して演奏者は応えてくれる。もちろん楽譜があるので演奏そのものを間違えることは無い。しかし、「強弱」「速さ」「感情を込めて」「サラっと流す」などの指示は確実に演奏者に伝わっている。
 第4楽章のフィナーレの場面では、指揮者は全身を使って表現(指示)している(全部ではないが)。演奏者はそれに応えて全身を振り絞って演奏する。そのダイナミックさに圧倒され、感動する場面だ。そして演奏は終わる。観客の拍手が鳴り止まない。
ある本にこんな記述があった。「オーケストラの楽団員は一人ひとりがプロとしての自信と誇りと強い個性を持っています。決して命令や理論、権力やお金では本気で動きません。これらの人たちを本気にさせ、心を一つにさせるオーケストラ指揮法こそがまさに究極の人間関係、究極の経営なのでしょう。」
 ADRのトレーニングや、実際の調停の場面で非言語コミュニケーションについて非常に意識するようになった。これもこの年齢になって少しは成長したということか。

2010年9月22日水曜日

最近ジム通いにハマっています。

委員の赤松です。

この1年ほど、ジムに行くことが多くなりました。
「忙しいのに、よく行く時間がありますね~。」と周囲から言われることも多いのですが、正直、時間はありません(キッパリ)。無理やり時間は作っています。

このようなことを続けていると、リフレッシュすることも、仕事をすることと同じくらい重要だと思うようになりました。やはり良い仕事をするには、あるときにはリフレッシュしなければなりません。

「ここはジムに行く時間」などと強制的にスケジュールに組み込んでおけば、誰でも必ず時間は作れます。「忙しくて時間がない」という方は、リフレッシュすることの重要性に対する認識が弱くて、その優先順位を自ら下げているのかもしれませんね。
リフレッシュも仕事と同じだと考えるとよいのかもしれません。

おかげて、この1年間で12キロ体重が落ちました~。



2010年9月13日月曜日

自転車通勤、始めました。

私事ですが、最近自転車通勤を始めました。

お腹の上のポニョが気になり始めて早○○年・・・
「なんとかせねば」「今年こそは」と思いつつもなかなか行動に移せず今日までポニョを温めてきましたが、この度一念発起(というと大げさですが)しポニョとおさらばすべく自転車通勤を始めました。
家から勤め先までは片道11km。往復22kmの行程です。
普段は自動車で楽に通っている距離ですが、自転車で通うとなるとこれがなかなか遠い。また、今年は記録的な猛暑とあって、とにかく暑い。
遠いし暑いしで何度も止めようと思いましたが、帰った後のビールが美味しいのでなんとか続いております。

今回はそんな自転車通勤で少し気づいたことがありましたのでご紹介します。
それは、自動車で通う道と自転車で通う道は同じ道であるはずなのに、全く違う道に思えたことです。
具体的には、自動車では気にならなかった路面の凹凸にお尻を痛めたり、気がつかなかった緩やかな傾斜や風を感じたり、今まで素通りしていたところに面白そうなお店を見つけたり、道々の草木に秋の訪れを感じたりと数え上げればきりがありませんが、自転車で走ることによって普段通い慣れた道からたくさんのことを感じたり、新たな発見をすることができました。
もちろん、自転車に乗った後のビールが美味しいことも。

みなさんも、少し涼しくなったら自転車でお出かけなどいかがでしょうか。
新たな発見があるかもしれません。
以上中本でした。

2010年8月24日火曜日

真夏の農作業

 こんにちは、”ふらっと”のメンバーの渡辺です。

 妻の実家が農地を持っており、休日になると農作業を手伝うことがあります。
 山間部の小規模農地ですが、それ故に機械を使わないため、全てが手作業です。
 今回は、ジャガイモの収穫を手伝いました。鍬で畑を掘り起こし、地中に埋まっているジャガイモを手作業で掘り起こしていきます。30分ほど鍬を振るっていると滝のように汗が流れ、手にまめができ、筋肉が悲鳴を上げてきます。半日かけてジャガイモを収穫しましたが、あらためて農作業の大変さを実感しました。
 しかし、肥料を蒔き、苗を植え、土を盛り、雑草をとり、猪や鹿と戦い、やっと収穫までこぎつけても、今日収穫したジャガイモは、価格にすれば数万円です。山間地の小規模農地では、生活できるだけの収入を得ることは難しいのが現実です。
 
 夜になると畑の周辺で、蛍を見ることができます。自動車のウィンカーを点滅させると、その光に吸い寄せられるように蛍がよってきます。ふわふわと漂う、幻想的な光に包まれていると、昼間の農作業の疲れを忘れます。

 自然の美しさと、農業の大変さを実感した一日でした。

 収穫したジャガイモは、我が家でおいしく頂いています。
 

  

2010年7月22日木曜日

群馬司法書士会会報「執務現場から2010」

 先日、江ノ島で開催された全青司関東ブロック研修で購入した書籍です。群馬県司法書士会の内容充実の会報で見どころは市民によるADR愛媛和解支援センターの記事です。
 同センターの松下代表のインタビュー等ためになる記事が盛りだくさんです。その松下代表らとの対談記事でJALなどが申し立てた事業再生ADRのことが触れられていました。勉強不足なもので私は全く知りませんでしたが、申立費用がなんと最低800万円ぐらいかかる、とのこと。ふらっととは費用の桁が全然違いますね。
 そのほかにも群馬司法書士会ADRセンターかいけつ「おさまる」のマスコットキャラクターでうさぎの「うさ丸★」のプロフィールが載っていました。血液型はう型。星座はらびっと座だそうです。うさ丸★ファイト~!

以上、農作業に憧れる宮内でした。

2010年7月6日火曜日

肩狐狸庵ICHIのふらっと途中下車の旅

私の庵(事務所)は、静岡県東部の中核都市、富士市の閑静な住宅街の端にある。
今は、庵の東のお白州で平らか(フラット)でない紛争解決のため、二輪でふらふらっと行ってきた帰りである。

梅雨の晴れ間の心地よい天気。W杯で不足がちの睡眠欲に誘われるよう、二輪を漕ぎながらも、意識は空の彼方に飛んで行く。

そういえば、最近ふらっとの利用が増えていると聞く。
そういえば、最近妙に元日本代表監督のトルシエをよくTVで観る。“ふらっと”つながりということなのか?

知らぬ間に信号が青くなったので、交差点を渡ろうとしたら、後ろから“ウィン‐ウイン”と、ふらっとのマスコットの名前を呼んでいるようなサイレンの音。急ブレーキをかける。お約束どおり、ふらっとする。
どうも頭の中が“ふらっと”で埋め尽くされている。

それならばいっそ、調停センター『ふらっと』のある静岡まで出かけようかなどと考えてみる。
いやいや、それならひと駅前の東静岡で降り、ガンダムでも見物にでも行こうか。しかし、私は軟弱者のカイ・シデン。アムロのように“行きま~す”とはいかない。ガンキャノンもないしな。

それなら、さらにふた駅前の清水駅で降り、静岡ADR発祥の地、小憎時代を過ごした芝の庵にでも顔でも出すか…。などと夢想していたら、急にうつつの世界に舞いもどされた。

気がつくと、そこは富士駅ふらっと…プラットホーム。旅がはじまる。

2010年6月24日木曜日

言葉のマジック

こんにちわ。ふらっとメンバーの佐藤麻妃といいます。
初めての投稿です。

今日は、北海道旅行での出来事をお話します。

小高い丘の上にある公園のトイレに入ったとき。

洗面台で手を洗っていたとき、ふと、前の鏡を見たら、
鏡の隣に、張り紙がはってあり、なぜか目がとまりました。

「いつも きれいに使っていただき ありがとうございます」

私はそのとき、きれいに使いましょうと自然に思えました。

おそらく、こう書かれていたら、記憶にも残らないでしょう。

「みなさんが使うトイレですので きれいに使ってください」

ほんの少し言葉の使い方に注意を払うことで、受け手に与える影響が、
こうも違うものかと、トイレでひとり、あったかな気持ちになりました(笑)

2010年6月20日日曜日

依存症と夫婦・家族間のコミュニケーション

こんにちは、ふらっと運営委員の井上史人です。
 今日は、依存症と夫婦・家族間のコミュニケーションについて書きます。
 私の事務所では、債務整理事件を扱っており、配偶者に内緒で借金を整理したいという方もいれば、夫婦で来所して、夫が二度と借金をしないようにしてほしいと奥さんから懇願してくる方もいます。
 家族を抱えた一家のご主人が、借金をするケースとしては、事業の運転資金が足りなかった方、給料を減額され生活費が足りなくなった方、あるいは、ギャンブルに嵌ってしまった方、キャバクラ等に通いつめてしまった方、お酒に溺れた方など理由は様々です。
 事業の運転資金が不足したり、給料が減額され生活費のために借金をされた方などは、事業を辞めて転職する、アルバイトをして収入を増やす、生活費を切りつめるなど、生活状況を見直すことで、借金をする原因に対処することが可能です。
 しかし、キャンブルやキャバクラに嵌った方、お酒におぼれた方などは、それらに依存してしまっていることがあり、依存症に対する治療が必要なケースがあります。
 そのような依存症によって、夫が借金をしまった妻から、「夫が二度と借金をしないようにするには、どうしたらよいですか?」と相談された場合、私は、「夫婦や家族でコミュニケーションをとっていますか?」と質問します。
 そうすると、夫婦関係が冷めていたり、家族で、夫(お父さん)を毛嫌いして、あまりコミュニケーションがとれていないというような回答が返ってくることがあります。
 このような状況に置かれている夫(お父さん)は、家に居場所がありません。自宅に居ても家族から相手にされないと、だんだんと自宅に居づらくなり、外にはけ口を求めるようになるのでしょう。その結果、パチンコ店やキャバクラ店に通いつめるようになります。
 では、このような人に対しては、どう対処すればよいのでしょうか? 一つの対処の方法としては、家族・夫婦でコミュニケーションをよくとることだと思います。
自宅が居心地の良い場所だと思えれば、自然と外にはけ口を求めることもなくなり、自宅に居るようになるのではないでしょうか? また、家族間でコミュニケーションがとれていれば、家族の異変にも気付きやすく、大事に至る前に対処することもできると思います。
気がついたら、家族がギャンブル等に依存して多額の借金をしていたということがないように、家族間で、よくコミュニケーションをとるようにしましょうね。

2010年6月1日火曜日

本日無料キャンペーンスタートです!

みなさん、こんにちは。
事務長の芝です。

”ふらっと”よりお知らせです。

ふらっとでは、

本日6月1日から来年3月末まで

期間限定で

利用相談無料!


調停手数料無料!


で調停を行います。

利用相談は以前から無料でしたが、
調停手数料は3回で52,500円かかります。
今回はその52,500円が、なんと!!
無料です。

現段階で既に1件申立がありました。

この機会にふらっとを利用してみませんか?

ご相談はお気軽に

054-282-8741(ハナシアイ)

ふらっとまでどうぞ。

各相談窓口担当者の方からのご相談も
お受けします。

どうぞ宜しくお願いします。

2010年5月24日月曜日

ゲーム(将棋)のコミュニケーション

こんにちは、運営委員の花田です。

先日、今期の将棋名人戦が終わりました。
4連勝のストレート勝ちでで羽生が防衛し、かつて羽生の7冠を切り崩した三浦も今回は力を出せずに終わってしまいました。・・・どうせなら7局フルセット見たかった・・・

将棋のタイトル戦は1日~2日間かけて行われ、対局中に棋士が言葉を交わすことはありませんが、解説を聞いていると内面では様々なやり取りとりがされているようです。

特に米永邦雄(現将棋連盟会長)の解説は、指し手の一手一手を言葉にして表現してくれるので、対局中の棋士の内面が垣間見えてとても面白いです。
「この手は『さあ、かかってきなさい』といった手ですね」とか、『そんなことは百も承知です。私は私の道を行きますよ。』『今日はゆっくりやりますか』『この野郎、そんな手は許せん』といった具合です。
こうした指し手の意味は、棋力によっても変わってくるし、それまでの対局経緯によっても違ってくるようです。
将棋が分からない人でもきっと楽しめると思うので、一度ご覧下さい。

将棋といった限られた指し手の中でもこのようにコミュニケーションが成立してしまうのですから、私たちの日常の一手一手(仕草や表情)により、言葉を交わさなくてもコミュニケーションが交わされるのは当然なんでしょうね。

2010年5月17日月曜日

相談者の思い

こんにちは。運営委員の鈴木修司です。

先日、受けた相談です。

この相談は、以前、私の事務所に事件をお願いした方からの紹介でした。
聞けば、悩みをずっと抱えていたが、どこに相談して良いか分からず、また、何を聞かれ、どのような先生かも分からないので、専門家へ相談することに長い間躊躇していた、とのことでした。

今回は、知り合いの方からの紹介でしたので、「相談しよう」という気持ちになれた、と仰っていました。

日常業務として、このように相談すること自体に躊躇していた方からの相談や依頼者の紹介により新たな相談が寄せられることは少なくありませんが、「相談すること」自体にとても勇気がいたと淡々と語っていたので、印象に残りました。

私達が理解している以上に相談する側は、分からないことや初めてのことに対して不安になっています。

そう考えますと、「ふらっと」を多くの方に知ってもらうということは非常に重要ですね。

相談することや話し合うことに躊躇していた相談者の思いに焦点を当ててみると、日々の相談も異なる視点で観ることができます。

相談者の相談したい、話し合いたい、という思いは、とても繊細でかつ私達が相談するうえでとても大事にしなければならないことだと、改めて実感した次第です。

2010年5月10日月曜日

子どもっぽい大人は得をする?

こんにちは、鈴木です^^
最近、ホームページを見ていましたら、このような記事がありました。

記事の内容を要約しますと、

相手の心を開かせるためには、まずは、自分の心を開くことが大切だというのです。
自分の心を閉じていては、相手も警戒心を解いてはくれないというわけです。

なので、もし、自分に対してなかなか心を開いてくれない人がいるとしたら、
その原因は、もしかしたら自分自身にもあるのかもしれないそうです。

また、記事の中に、例えとして、小さな子供をあげています。

小さな子供というのは、無邪気なので、他人を疑う心を持っていません。
なので、オープンな気持ちで、誰にでも接します。
すると、そういう子供に話しかけられた相手も、また心を開いてくれる・・・。

つまり、小さな子供のような純真な心を持ち続けることが、
人間関係において、非常に重要ではないかと言いたいのだと思います。

タイトルだけを読むと、子供っぽいことがいいことなんだと、
やや勘違いしてしまう可能性もありますが、
この記事の子供っぽいの意味は、子供のような純真な気持ちを忘れずに、
人と接するという意味なのかなと思います。

最近、物騒なことも多い世の中で、相手に心を開くことも、
なかなか難しくなっている昨今ではありますが、
開かれた気持ちで相手に接するというのも、大切なことだなと感じました^^

2010年5月7日金曜日

紛争を解決する手段としての「ふらっと」のメリットは?Vol.4

 センター長の小澤と申します。ようこそ「ふらっと」のブログへ。運営委員の皆様、全員筆が早いようで、もう四巡目でございます。

 さて、本題の続きです。「貸したお金を返せ!」という訴訟の場合、受任した司法書士としては、回収の可能性を鑑み主として相手方の資産の有無に注意を向ける・・・・というのが前回のお話でした。しかし、この「ふらっと」の手続を利用することによって、対話を重視した解決を図ることによって、今資産がないとしても、将来の収入から自発的な分割払いをしてもらう可能性も広がるのではないか・・・・というお話であります。

「どのような事情で貸すことになったのか。」という背景を司法書士が出来る限り汲み取り配慮すること、また、この「ふらっと」における対話により、その点について当事者同士が納得することが出来れば・・・・そう考えています。

 特に知人間の金銭の貸し借りというのは、借用書も無く、利息の定めもなく、また返済期限も特に定めていない事案が結構あります。とはいえ、借りた方も、借りた事実を否定することはなく、「ちょっと待って・・・」というのが多くの言い分でありましょう。
 もちろん、単純に『それだけでの事情』であれば、専門家に入ってもらい「分割払いの和解」をすればいいだけかもしれません。しかし、『それだけの事情』に留まらない事案も多いのが現実です。それまでの交際期間に在った様々な出来事・・・・これらが複雑に絡み合ったりしていますと、専門家が入っても一筋縄ではいかないこともままあるわけでして・・・

 そんなとき、とことん話し合う場があれば・・・そう思っています。

 「ふらっと」をご活用くださいませ。

2010年5月6日木曜日

つぶやきも立派なコミュニケーションだった

こんばんは。委員の井上尚人です。


最近、ツィッターを始めました。

私は「ITモノ」が大の苦手で、開業して10年経ちますが事務所のHPは作成できない、ブログが流行ったときもやり方がわからない、ミキシィに至ってはなんのサービスかわからない、といった体たらくでした。

ところが、ツィッターは本当に簡単です。
ほんの1分ヒマな時間があれば、その時感じたこと、思ったことをサラッと書き込むことができます。
このとき私は誰に対して発信しているのでしょうか?誰でもいいのです。

何気ない、特段口に出して話す内容でもないですが、でも誰かに聞いてもらいたい、つながっていたい・・・。
そんな欲求が自分にもあったことに驚きました。そして、つぶやいている自分は素直な本音を語ることができるのです。即興的なメディアだからでしょうか。練りに練って掲載するような性質のモノではないからでしょう。

本音を素直に語る・・・。
対面で行えれば満足度の高い紛争解決につながる場合もあるのですが、簡単にできないからこそ、当事者は紛争状態にあるのです。

ツィッターを紛争解決に使えないでしょうか?
冗談のようですが、あり得る、のではないでしょうか。
秘密は守れませんが・・・(笑)。

頭にきた・・さて・・そのときは。

山田です。GWも終わり,また今日から仕事ですね。さて,皆さんは,他人と言い争いになったとき,カチンときたとき,どうしていますか??

「その言い方はなんだ!オマエだって,***じゃないかっ!」なんて,すぐさま応戦すれば,最初はつまらないことでも,次第に大きな紛争につながっていくのだから不思議です。


実際に受任する事件でも,自分自身のことでも,「あのときに感情を沈めれば,こんな争いにならなかったのに」と思うケースは少なくありません。

そうすると,怒りを鎮める方法を身につけることは,紛争の発生を抑止することにつながるんじゃないかと最近改めて考えるようになりました。


怒りがわいてくると,身体中にワアーとエネルギーが発生するのがわかります。
客観的にいえば,このエネルギーをどこかに処理してしまえば,怒りは収まるということになります。

怒りの発散方法として,① エネルギーを外に放出する(物にあたる),② 水を浴びるなどして文字通り冷やす,③ 風呂に入ったり,音楽を聴いたり,ヘンテコなイラストを描くなど,他のことに没頭することで怒りをいつのまにか消滅させる,④人はなぜ怒りを覚えるのか,などと哲学的な思考を展開し,論理的に怒りを消却させる,なんていうことが考えられます。

我が家では,①は禁止行為として規定されています。これは結局,紛争を引き起こすし,周りが迷惑だからです。違反行為に対しては,奉仕作業等に従事するなどのペナルティがあり,押し並べてこれを行うものはいなくなりました。 ②は冬は寒くて,かえってイライラするので私はしません,④を試みたことはありますが,所詮私レベルでは無理な話でした。したがって,私が実践しているのは③です。

何か,良い方法が他にもあったら是非,教えてくださいね。

2010年4月23日金曜日

自転車と私

 初めまして。調停人候補者の本木敦です。


 私は浜松市北部に住んでいます。事務所は浜松駅の近くであり、家からの距離は約10キロメートル程度です。私は、この距離を自転車で通っています。私は、どちらかと言えば、自転車が好きな部類に入ると思います。もっとも、自転車のパーツを自分で交換したり、改造?するような技術はありません。パンクが直せる程度です。しかし、私にとって自転車は、幼稚園のころから身近な存在で、自転車をこいで遠くに行くことが好きでした。高校時代、受験勉強に煮詰まって浜名湖を一週したことは数え切れません。その自転車好きが講じて、学生時代には札幌市から浜松市まで自転車で走破したこともあります。


 学生時代、陸上部に所属した私としては、自転車はただ前に進む道具ではありません。前提として、速く移動するためのマシンです。事務所までの距離も日々時間を計り、ベストタイムを更新することを目論んでいます。もちろん交通法規遵守のうえのことですが。


 毎朝、私が自転車にまたがると、スポンジが水を吸収するように、私の血も全身を駆けめぐります。アドレナリン大放出です。そして、少し進むと自転車の状態がよく分かります。そこに言葉を介在しなくとも、多くの情報を自転車は私に教えてくれます。タイヤの空気圧、チェーンの油などじっくり見なくとも、二三こぎすればだいたいのことは分かります。その後、私は自転車のハンドルを強く握り「今日も頼むぞ」と念じ、力強く自転車をこぎはじめます。それに応えるように自転車と私は、速度を上げていくことになります。


 事務所までの道中には、この信号を青になった直後に超えたら、次の信号を青で通過するためには全速力で駆け抜けなければならない、といったポイントがあります。10キロメートルの行程には、そういうポイントがいくつか存在します。逆に、信号が黄色になったときなどは、速くこいでもゆっくりこいでも止まることにはかわりがないので、休憩に充てることになります。休憩と全速力をうまく組み合わせていくと、自動車で移動するよりも速くなります。


 私は、自転車から見える情報を整理し、判断します。それを自転車に伝え、自転車はそれに応えて、前進したり、曲がったり、停止したりします。しかし、私から自転車へと一方通行が行われているわけではありません。自転車が私に伝えてくれる情報(タイヤの空気圧、チェーンの油など)がなければ、私は安心して自転車をこぐことができません。自転車と私には、言葉を介さずとも、十分な対話があると思います。


 今朝もこのような時間を経て、仕事を始めました。残念ながらベストタイムはでませんでした。

2010年4月18日日曜日

ちょっとした幸せ

 先日、子供が通う保育園の総会に出席したときのこと。



 みなさんの関心事は、ズバリ、「次年度の役員選考について」。

 1グループ10名ほどに分かれ、その中から次年度役員を1名決めるのですが、皆役員になることを嫌うので、場が少し険悪な雰囲気になるときがあります・・。



 私のグループは、アミダくじで役員を決めることになりました。

 「役員になったら、どうしよう~」 「最悪だよね~」 「私、無理~」

 あちこちから、つぶやきが聞こえてきます・・・



 くじ引きの結果、総会に欠席していた日系ブラジル人のお母さんが当選しました。通常ならば、欠席していた人でも例外なく役員となります。出席者のみなさんは、自分が当たらなかったことで皆一様にホッとしていましたが、一人のお母さんがポツリ。

 「でも、〇〇ちゃんのお母さん、まだ日本に来たばかりだよ。」

 

 一瞬、場が凍りつきましたが、少しの間を置いて、

 「日本語、大丈夫かなあ」「役員、大変じゃない?」「まず、日本に慣れることからでしょ」「そうだよね。」「「うん、うん。」「もう一回、くじで決めようか。」「賛成~」

 グループのメンバー全員が発言し、同意して、再度くじ引きをしました。



 その結果、出席していたお母さんが当選しました。

 他のお母さんが口々に、

 「私たちも手伝うから、心配しないで」「みんなで協力して1年、やっていこうよ」

 と声を掛け、選ばれたお母さんも、イヤな顔一つせず、ニッコリと役員を引き受けました。



 最初のくじ引きまではギスギスした雰囲気で一杯の会場でしたが、終わってみれば、みんな穏やかに談笑しています。みんなで話し合いの末、日本の生活に不慣れであろう母さんを想い、心配する気持ちをグループ内で共有したことが、この和やかな空間を作ったんだなあと、ちょっぴり幸せな気分になりました。 

 増田でした。

2010年4月8日木曜日

話し合いは自然体で・・・


 初めまして。調停人候補者の古橋清二です。最近、私は農作業にはまっています。農作業を初めて半年ぐらいになりますが、以来、天候や気温、気圧配置などが気になって仕方ありません。
 それはともあれ、農作業をしていて「いいなあ」と思う点があります。まず、気分をリフレッシュすることができるということです。普段は、登記のこと、裁判のことなどをあれこれ考え、事務所内は法律用語が飛び交い、相談に訪れる方とお話しする内容も、一般的には日常的ではないような話を真剣な顔で議論し、夕方にはぐったりと疲れ果ててしまうのですが、農作業をしているとそうした日常をすっかり忘れることができるのです。そして、また、明日からの活力を得ることができるのです。
 次に「いいなあ」と思う点は、道行く人たちと、「えんどうが伸びたねえ」、「じゃがいもの芽が出たねえ」というたわいもない挨拶から始まり、まったく利害関係のない会話を楽しむことができることです。たぶん、農作業をしているときは、私の顔つきも普段とは違うのではないかと思います。
 私はまだ、ふらっとのADRで調停人をした経験はありませんが、できれば農作業をしている時の感覚で、「暖かくなりましたね」というような会話から始まり、当事者の方に自由に発言していただく空間を作り出して、紛争解決の場を作ってみたいと思います。(写真は、こぼれ種から発芽した小松菜です)

2010年4月7日水曜日

私にとってのADR

筆者は、法律は≪権利の為の闘争≫として
対立する二当事者を前提とし事件性があって
初めて救済する形をとり事後法学が基本となっている。

しかし、これでは、紛争解決の観点からいえば
第三者である裁判所が何でもかんでも決済してもらう形になり
当事者で解決する能力が減退する。

しかも、裁判の形式が対立する二当事者を
前提とするのでゲーム感覚になり真実の発見に
時間がかかってしまう危険性がある。

吾人は、予防法学をもって紛争を未然に防ぐをもって
良しとし当事者間で話し合いで自主的に解決することを
潔しとしそれを理想としている。

ADRは、その点裁判外で紛争解決しようとし、
自主的に問題解決をすることのサポートをしていくもので
その趣旨には賛同できる。今後の成り行きを見守りたい。

調停人候補者  藤曲吉久

2010年4月1日木曜日

人には背景がある。

副センター長の名波です。


先日、ふらっとADR研修会が開催されました。

その様子は、芝事務長のブログをご覧ください。

http://blog.livedoor.jp/koichaaisu/archives/1261635.html


私は、この研修会に、毎年、事務方として参加しているのですが、

その度に新たな気づきを得ます。


今回も、研修の内容はすばらしく、いろいろな気づきを得たわけですが、

数日たっても残る違和感みないなものがありました。


話しの整理をするということについてです。


調停人は当事者の話しを整理する一つの手法としてホワイトボードを

使うことがあります。

タイミングを間違わなければその手法は非常に有効です。

タイミングと共に重要なのが何を整理するかです。

過去の事実だけを整理するために使うとかえってこじれることがあります。

タイミングと何を整理するかの両方が重要となります。


話しの整理も重要なのですが、それだけでは何かが足りない。

研修が終わった後も、それは何だろうとずっと考えていました。


数日前に、あることを思いだしました。


合意に至った案件を担当した調停人が大切にしていた

「人の背景」です。


人には背景がある。


つまり、人の思いには、人それぞれの環境だとか、人生だとか、

いろいろな事情や背景があり、紛争の中に現れているのは、

その一部でしかないということです。


調停人は、当事者の発する言葉や様子からその人の「背景」を

感じることができたとき、はじめて「場」を支えたと言えるのではないか?


分かっている方にとっては、当たり前なのかもしれもせんが、

私にとっては、一番の収穫でした。


来年も新たな気づきを求めて、研修会に参加したいと思います。

2010年3月25日木曜日

話し合いの余地なし

滞納家賃が何十万円もたまってしまい、家主さんが借主一家を追い出す場面に立ち会った。
「明渡しの強制執行」と呼ばれるものだ。
朝10時、執行官、引っ越し業者5~6名と4トントラック1台、鍵屋さん、大家さん夫婦と私が、田舎町の閑静な住宅街に集まる。そのものものしさに、ご近所の皆さんも遠巻きに様子を伺っている。
1か月前に通告された退去命令を無視し、家の中には、ご主人、奥さん、成人前後の娘と、黒猫が1匹残っていた。
玄関先で大家さんに土下座をして許しを乞うご主人を尻目に、定刻、執行官の説明が始まる。
途端に崩れ落ちる奥さん。呼吸が荒く、震えが止まらない様子。
娘が救急車を呼ぶ。サイレンが近づき、奥さんと付き添いの娘を連れ去るまでの約20分間の中断の後、執行官の合図で強制執行が始まる。
引っ越し業者は手際良く荷物を運び出し、鍵屋さんは慣れた手つきで玄関ドアのカギ交換を行う。
1時間ほどで作業は終了。
家の中に残されたのは、不要物の山と猫1匹だった。

ともすれば情に流されてもおかしくない状況の中、大家さん夫婦は、冷静にご自分の権利の実現に終始していた。
話し合いとは対極な半日。これも私たちの仕事なのだ。

2010年3月24日水曜日

紛争解決学の要点

みなさん、こんにちは。
事務長の芝です。

3月20日(土)市民公開講座「紛争解決学の要点」
を開催しました。

120名ものみなさんにご参加いただき、
大盛況の上、終了しました。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

ふらっとでは今後もみなさんにご参加いただける講座、研修会
を開催していきます。

ご期待ください!!

2010年3月22日月曜日

紛争解決能力

 運営委員の登山です。

 私たちは、よく、調停に関する本を読んで勉強しています。
 その中に、調停は、相手方から話し合いに応じる旨の同意が得られれば、半分は成功であるとの内容がありました。

 考えてみれば、揉め事を話し合いで解決しようというのは、物凄いことです。

 当事者は、ひょっとしたら、お互い顔を合わせるのも嫌なほど、揉めている状況にあるかもしれません。そのような状況の中、相手の言葉に耳を傾け、そして、解決策を第三者に委ねず、当事者同士で話し合って決めることは、相当のエネルギーを要することでしょう。
 その反面、揉め事を解決した当事者は、苦労した分だけ、自らの紛争解決能力に自信を持つようになるのだと思います。

 だから、当事者が、話し合いにより揉め事を解決しよう!と決定したことが、大きな第1歩を踏み出したと言えるのでしょう。

 このように、調停の手続きにおいては、当事者が主役なのであり、私たち調停を行う側は、当事者を支えるだけの役割しか有していないのですね(それにしても、2時間(場合によってはそれ以上)もの間、他人間の揉め事について、真剣に耳を傾けてくれるところなんて、そうそうないと思いますよ)。

2010年3月11日木曜日

だったら言っておいてくれれば良かったのに

昨年の夏、家族で軽井沢へ旅行にいった。せっかくだからと、歴史と風格あるホテルに泊まった。森の中に居ずまいを正す木造の建物は、風景に溶け込んでおり、軽井沢彫りの家具や部屋のキーホルダーさえ、旅情を包み込むようだった。
 普段は飲み慣れないワインなどを軽く傾け、浮世の諸事を忘れて安らかに眠りに入る。
 明け方、5時前。枕もとの壁がギコギコと鳴る。「こら」と私は小三の娘を叱る。 と、娘は眠っている。・・・またしても、ガリガリと鳴る。娘のいたずらではない。まだうす暗いとは言え、草木も眠る丑三つ時は過ぎており、魑魅魍魎、どろどろお化けの出番でもあるまい。しかし、得体の知れない鳴りものはしばらく続いた。なんだかわからないが、まあ、いろんなことがあるだろうと、夢うつつに戻ろうとしたところ、今度は、ドンドンと壁を叩く音。うーん、これは明らかに、その壁をはさんだ隣の部屋からの苦情の意思表示だ。でも、ウチじゃないんです。
 誤解がとけないのは辛いからと、妻がフロントに電話をかけた。フロントはゴメンナサイと言ったらしい。「実は、ハクビシンが住み着いておりまして・・・。」
 だったらはじめから言っておいてくれれば良かったのに。こういうホテルを選んで泊まるんだから、むしろ、森の動物が訪ねてくることをおもしろがってくれる人のほうが多いんじゃないですか。怖いのは人のほうです。隣室のお客さんに恨まれたままだったら、大変でした。チェックアウトの時、妻はそう告げていた。ハクビシンよりモモンガの方が好きだな。モモンガだったらもっと良かったな、と私は思った。
 
 調停人候補者 榛葉隆雄

2010年3月4日木曜日

福島県司法書士会調停センター設立記念


こんにちは!
事務長の芝です。
昨日、3月3日(耳の日)、福島県司法書士会調停センターに
お招きを受け、副センター長の名波さんと事務長の芝で、
設立記念研修会を開催しました!!
約2時間、来賓のみなさまにもご参加いただきながら、
新しい紛争解決方法を体感していただきました!
みなさんには「面白かった~!」と行っていただき、
私たちも大変嬉しかったです。
全国各地でふらっとの仲間が増えていきますね。
お互い切磋琢磨してこれからもがんばっていきましょう。
******************
ふらっとでは、何処にでも出張講演をいたします。
お問い合わせは054-282-8741まで
お気軽にどうぞ!!

2010年2月20日土曜日

最近あつかった相続事例

 最近あつかった相続の事例で、自分ながら判断に迷った事例を紹介します。
 1つは、遺産分割で相続人が配偶者と子供2人で遺産分割が行われていた事例で子供(姉と弟)は、共によく知っている人で、姉を中心に遺産分割がまとまると思い、姉の方へ分割方法のアドバイスをして進めていたところ、途中から弟からも相談がくるようになった。最初、弟から電話の問い合わせの趣旨がよくわからなかったため、一般的な相続について話をしていたら、次に姉が来所し、分割につき争いがあることがわかり、以後、弟からの問い合わせについては、「自分は姉が依頼者のため、姉の立場に立って話をします。」と言って、相談に応じられないと断るようにしましたが、その後まだ話し合いはついていない様子。うまくいってくれればと祈るのみ…
 もう1つは、同じく相続で、依頼者を通して必要書類を連絡したところ、依頼者以外の不仲の相続人から直接司法書士と話をして書類を渡したいと言ってきた。話を受けていいものか迷って、「依頼者と話をしてからお答えします。」と回答したところ、「依頼者は信用できないから連絡はとらないでくれ」と言われた。その後、不仲の相続人から連絡はなく、必要書類もそろっていない。
 以上いずれも遺産分割をできるだけうまくまとめようと思って動くのだが、うまくいかないものです。 

2010年2月15日月曜日

調停センター手続実施者研修会

 2月13日(土)、14日(日)の両日、日司連主催の標記研修会に参加してきました。講師は、白鴎大学法学部講師の和田直人先生。先生は土地家屋調査士会の研修講師としても活躍されています。
 参加者は、全国の各単位会調停センターの運営委員など29名、実践の経験者はもちろん、未経験者も数多く参加されていました。

 本研修会の趣旨・ねらいは、これまで司法書士会調停センターで実際に取り扱われた事案や実際に生じる蓋然性の高い事例を題材に、具体的場面における実践者の振る舞い方について、多角的・総合的に検討していくというもので、参加者4~5名がグループとなり、各事例について最後まで活発な議論が行われました。

印象に残った言葉は、調停人に必要なものは、経験やスキルだけでなく、「人間力」が一番ということでした。また、最後に先生は、経験の少ない調停人が実践の場面で困難に遭遇したとき、焦ったら必ず失敗が待っていると警告しておりました。そして、ADRとは、「(A)焦っても、(D)どうにもならない。(R)楽にやろう!」の略だそうです。

運営委員 池谷

2010年2月1日月曜日

「相談技法」の研修でも・・・

 委員の赤松です。

 さて、平成22年1月30日、静岡県司法書士会「総合相談センターしずおか」の相談員を対象とした「相談技法」に関する研修が開催されました。
 原則、30分の面談時間という限られた中で、いかに相談者に満足を与えるか、という視点で企画されたものです。
 その研修では、面談のロープレも行われ、相談者役と司法書士役にそれぞれ分かれて、いくつかのパターンの模擬面談を行いました。
 いつもと逆の相談者役をやってみると、いろいろと気づくことが多いものですね。
 なお、この研修は、静岡県内の東部・中部・西部の三会場で開催されました。

2010年1月19日火曜日

市民公開講座「紛争解決学の要点」のお知らせ

市民公開講座のお知らせです!!(参加費無料)

調停センター“ふらっと”では「紛争解決」について、
市民の皆さんと共に学ぶため、市民公開講座を開催します。
このご案内をご覧の皆様、
ご参加のほど、よろしくお願いいたします。

1.日時

平成22年3月20日(土)
受付13:00 開会13:30

1.場所 

静岡県司法書士会館 4階司ホール

1.講座内容

「紛争解決学の要点」
(紛争解決の技術、和解、ADRなど)

1.講師

弁護士・元法政大学法科大学院教授 廣田尚久氏
(廣田尚久紛争解決センター センター長)

※ 紛争解決学[新版増補](信山社)著者
※ ホームページ http://www.funsou.jp/

廣田氏の「紛争解決学」の魅力

★実務と理論の融合 
 氏の長年に渡る実績、その実績から構築された理論、
 その両面から説得力あるお話が聞けます。

★紛争解決の本質に迫る 
 当事者は、自分の力で紛争から脱却し、自分を救うことによって蘇り、
 未来に向かう力をつけて現実に歩みはじめる。
 したがって、「自分で自分を解決する」ことこそ、紛争解決の現実であり、
 また理想である。(「紛争解決学」本文より)

★明日から使えるノウハウ満載 
 この講義を受講すれば、日頃の紛争解決の現場で直ぐに応用できるもの、
 また、直ぐに応用できなくてもヒントとなるものが沢山あります。


 お申込は下記メールアドレスまで、お願いいたします。
  
 参加資格 どなたでも結構です。 

 費  用 無料
 
 申込期限 平成22年2月26日(金)

 E-mail  adr@s-flat.net
 (静岡県司法書士会調停センターふらっと 事務局)

【申込内容】住所・氏名・電話番号             


※本件に関するお問い合わせ先

副センター長 名波 直紀

個人事務所 電話053-463-7003

埼玉司法書士会ADR研修会

みなさん、こんにちは。
事務長の芝です!
ずいぶんと久しぶりになっております。
本年もどうぞ宜しくお願いします。


今年はふらっと2年目。
今年も元気に楽しく精力的に参りましょう。
もっと申立案件が増えるようにがんばります。

さて、1月16日(土)に埼玉司法書士会に
お呼ばれして、ADR研修会を開催しましたので
ご報告です。

新人からベテランの先生方まで、なんと66名のみなさんに
ご参加いただきました!!
大勢のみなさんに参加いただいて嬉しかったです。

内容はADR初学者の方々を対象に、参加型学習を
取り入れながら、わかりやすく体感してもらい
理解を深めてもらうためのプログラムを
ご用意しました。
みなさん、熱心に参加していただいていたので
新しい紛争解決手段に興味を抱いて、
今後も勉強を継続していただけたら
何より嬉しいです。

埼玉司法書士会のみなさん、
ありがとうございました!!

ふらっとでは全国何処にでも出張講義を致します。
詳しくは054-282-8741まで
お問い合わせください。